肺癌術後に発生した気管支内肉芽腫に対してステロイド吸入が奏功した1例

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  • A case of intrabronchial granuloma following surgery for lung cancer successfully treated with steroid inhalation

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抄録

<p>気管支内肉芽腫は,様々な要因で発生する.治療方法については保存的治療や内視鏡的治療,外科的治療など様々な報告があるが,コンセンサスの得られた治療方針は未だ無い.今回我々は,肺癌術後に発生した気管支内肉芽腫に対してステロイド吸入が奏功した1例を経験した.症例は80歳男性.右上葉肺腺癌に対して右上葉切除+リンパ節郭清術を施行した.術中に右主気管支膜様部を一部損傷し,プレジェット付きの4-0非吸収性モノフィラメント糸で縫合し修復した.術後1年3ヵ月に血痰が出現したが,止血剤で改善し経過観察とした.術後1年5ヵ月に血痰の再燃を認め,気管支鏡検査を施行し,右主気管支内腔にプレジェットおよび縫合糸の露出,肉芽腫の形成を認めた.異物による肉芽腫としてトラニラスト内服およびフルチカゾン吸入を開始し,1ヵ月で肉芽腫は消失した.気管支内肉芽腫に対して吸入ステロイドが有効と考えられた.</p>

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