胃がん化学療法患者に対する支持療法としての栄養サポートの意義

抄録

<p> Ⅱ期, Ⅲ期の進行胃がんに対しては, 胃切除術とその後の術後補助化学療法が日本の標準治療である. 胃切除後の短期的な体重減少は術後補助化学療法の治療継続性の阻害因子であり, 生存率そのものにも影響する可能性が示唆されている. 胃切除術後に成分栄養剤による栄養サポートを行うことで術後短期的な体重減少を有意に軽減し, さらに, 術後補助化学療法の治療継続性を高める可能性が示唆された. 一方,切除不能・再発・進行胃がんの化学療法患者の体重減少も生存率そのものを低下させる可能性があり, 支持療法として栄養サポートを行うことで, 体重減少を軽減し, 生存率が改善する可能性が期待される. ただし, 担がん状態であるため, 患者や病態の違いによって差異はあるものの, 大なり小なり体重減少の原因にがん悪液質が関与していると考えられるため, 治療早期からの栄養サポートに加え, がん悪液質となった状況では, 速やかにアナモレリンを導入することが重要であると考えられた. 支持療法としての栄養サポートや適切なタイミングでのアナモレリンの導入においては, 医師のみならず, 看護師, 薬剤師, 管理栄養士など多職種連携によるチーム医療が極めて重要である.</p>

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参考文献 (19)*注記

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