急性巣状細菌性腎炎 〜急性腎盂腎炎と鑑別が困難な 2 症例〜

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  • 症例報告 急性巣状細菌性腎炎 : 急性腎盂腎炎と鑑別が困難な2症例
  • ショウレイ ホウコク キュウセイ ソウジョウ サイキンセイジンエン : キュウセイジンウジンエン ト カンベツ ガ コンナン ナ 2 ショウレイ

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抄録

腎盂腎炎と鑑別が困難な症状を呈し,造影CT検査で腎臓の辺縁不明瞭な腫瘤状の造影不良域を認め,急性巣状細菌性腎炎(acute focal bacterial nephritis;AFBN)と診断した若年女性の 2 症例を経験した。症例 1 は 20 歳女性,発熱と腰痛以外に頭痛と嘔気を伴い,症例 2 は 18 歳女性,発熱,右下腹部痛,排尿時痛以外に 頭痛と嘔吐を伴った。2 症例ともに造影CT検査でAFBNに典型的な画像所見を認め,抗菌薬を 3 週間投与し改善した。 AFBNは急性腎盂腎炎と腎膿瘍の中間に位置する疾患概念であり,発熱,腰背部痛に加えて,頭痛,腹痛,嘔吐などの全身症状が目立つ点において,急性腎盂腎炎と鑑別が困難な場合がある。AFBNは 3 週間程度の十分な期間の抗菌薬投与を行わなければ再発や腎杯変形などの後遺症をきたしうる。総合診療医は AFBNの病態と特徴,リスク因子を知り,適切な診断と治療を行う必要がある。

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