発熱を主訴とした総合診療科受診患者の検討

  • 林田 仁至
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 総合診療科 医療法人社団城東桐和会東京さくら病院
  • 奈良 典子
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 総合診療科 地城医療機能推進機構 橫浜保土ヶ谷中央病院 内科
  • 長谷川 修
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 総合診療科

書誌事項

タイトル別名
  • ハツネツ オ シュソ ト シタ ソウゴウ シンリョウカ ジュシン カンジャ ノ ケントウ

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抄録

2013 年 3 月からの 1 年間に,大学附属病院総合診療科を初診した 1,207 名のうち 134 名( 11 %)が発熱を主訴とした。 感冒様経過( 50 名)を含む広義の感染症 76 名,生理的体温と考えられた 38 名の 2 項目で発熱の 85 %を占めた。 その中には感染性心内膜炎 4 名を含んだ。感冒様経過と生理的体温の 88 名( 66 %)は,特定の医療的介入を必要としなかった。 生理的体温 38 名のうち 23 名( 61 %)に精神科的背景を認めた。 紹介状なしでの受診は 24 名あったが,医療的介入を要したのは 2 名(8.3 %)のみで,紹介状ありの 110 名中 44 名( 40 %)より低率であった(p<0.01)。発熱患者には,感冒と生理的体温が多い一方で,感染性心内膜炎などの重篤な疾患の比率も高いと考えられた。 紹介状持参を原則とする状況下で,患者の希望による受診の多くは身体的医療処置を必要としない点が数値化された。

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