不明熱の原因が膿腎症であった長期透析患者の一例

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タイトル別名
  • 症例報告 不明熱の原因が膿腎症であった長期透析患者の一例
  • ショウレイ ホウコク フメイ ネツ ノ ゲンイン ガ ノウジンショウ デ アッタ チョウキ トウセキ カンジャ ノ イチレイ

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抄録

66 歳女性。1 型糖尿病で維持透析を行っていた。 X年 1 月に整形外科で右足底骨性隆起切除術を施行後,創部感染を起こしたが治療により治癒した。 しかしその後も不明熱が持続するためX年 3 月 17 日に精査加療目的に当科紹介入院となった。 造影CTにて緊満した膀胱と左腎盂の著明な拡張を認めた。 無尿とのことだったが尿道カテーテルを挿入すると悪臭を伴う膿尿を大重に認めたため,cefepime,metronidazole,続いてmeropenemを投与した。 しかし改善ないため経皮的腎瘻を造設し洗浄を行ったところ速やかに解熱した。 膿腎症は水腎症に細菌感染が合併し腎実質の破壊と機能が廃絶した腎重症感染症である。 内科的治療単独では治癒不能で,外科的介入を検討する必要があるが,本症例では発熱の原因がわからす介入が遅れた。 不明熱患者では,たとえ無尿であったとしても,尿路感染の可能性も疑うことが大切であり,本症例のように膿腎症の場合は積極的に泌尿器科と協働すべきであると考えられた。

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