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- 龍野 桂太
- 三井記念病院感染制御部
書誌事項
- タイトル別名
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- Bacteriological Test Flow and How to Read the Results
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抄録
<p>細菌検査は時間と共に報告内容が変わり,初期は塗抹検鏡結果だけ,翌日以降の中期に同定菌名かその途中結果,翌々日以降に薬剤感受性検査結果も含めた最終結果,という経過を辿る.だが,患者の重症度や疾患の緊急度によっては,最終結果が出ていない段階でも,抗菌薬治療や感染経路別予防策が必要となることもある.</p><p>まず初期段階では塗抹検鏡の微生物形態について触れ,どこまで治療や予防策に反映させられるのかについて説明する.次の中期段階では,分離培養されたコロニーの性状,血液培養ボトルでの発育条件などから,ある程度の菌種や感受性結果の見当がつくことに触れ,場合によっては対応を変更する必要があることを説明する.最終結果の感受性試験について説明した後に,この検査の流れを集中治療などでみられる医療関連感染症を例に見ていく.</p><p>多数の医療器具が使用されている場合,人工呼吸器関連肺炎・カテーテル関連血流感染症・カテーテル関連尿路感染,どれが主因なのか判断が困難なことがよくある.だからといって全てに抗菌薬治療をするわけではなく,治療すべき起因菌もあれば,定着菌として治療対象とすべきでないものも入り乱れている.そこで考えるべきなのが,感染症の可能性がどの程度あるのかと,治療閾値と検査閾値をどの程度に設定するのか,である.それぞれについて細菌検査結果を活かしてどう考えるのか,細菌検査の流れと共に読み解いていく.</p>
収録刊行物
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- 日本環境感染学会誌
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日本環境感染学会誌 38 (4), 149-154, 2023-07-25
一般社団法人 日本環境感染学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390017444754355200
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- ISSN
- 18832407
- 1882532X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可