乳癌の病勢悪化に伴い発症した抗 TIF1-<i>γ </i>抗体陽性皮膚筋炎の 2 例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Anti-Transcriptional Intermediary Factor 1-<i>γ </i>Antibody-Positive Dermatomyositis Developed with Progression of Breast Cancer
  • 乳癌の病勢悪化に伴い発症した抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎の2例
  • ニュウガン ノ ビョウセイ アッカ ニ トモナイ ハッショウ シタ コウTIF1-gコウタイ ヨウセイ ヒフ キンエン ノ 2レイ

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抄録

<p>症例 1:63 歳,女性。9 年前に左乳癌を発症し,寛解状態だった。2 カ 月前に多発転移が判明し,筋力低下と皮疹が出現した。CK 上昇,抗 TIF1-γ 抗体陽性より皮膚筋炎と診断した。プレドニゾロン(PSL) 70 mg/日を開始後に症状は一旦改善を認めたが,乳癌の多発転移増悪に伴い皮膚筋炎が再燃した。CK は軽度上昇にとどまり,PSL 増量にて皮膚筋炎症状の進行は抑制しえたが,乳癌の病勢が悪化し初診から 1 年 3 カ 月後に死亡した。症例 2:52 歳,女性。1 年 6 カ 月前に左乳癌と診断された。術後化学療法中に多発リンパ節転移を認め,免疫チェックポイント阻害剤であるアテゾリズマブ(テセントリク®)を開始した。6 コース投与後に乳癌の病勢進行と,同時期に頭頚部の皮疹,筋力低下や嚥下障害を認め,抗 TIF1-γ 抗体陽性皮膚筋炎と診断した。PSL 60 mg/日内服により皮膚・筋症状は改善したが,乳癌の多発転移増悪に伴い皮膚筋炎症状が再燃した。乳癌は緩和的治療の方針となり,皮膚筋炎は改善と増悪を繰り返しながら,初診から 1 年 2 カ 月後に死亡した。本邦ではこれまでに 24 例の乳癌合併皮膚筋炎が報告されており,文献的考察を加えて報告する。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 85 (6), 449-455, 2023-12-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (19)*注記

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