身体部位詞「口」の派生表現に関する一考察

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タイトル別名
  • A Study on Expressions with the Body Part Word "Mouth"

抄録

「口」は身体部位として用いられるだけでなく,そこから派生した表現が多く見られる。本稿では,そのような派生表現について,国語辞典や『IPAL』,『分類語彙表』などと比較しながら,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』を用いて意味を分類し,使用数を調査した。意味分類をすると,「言語」,「飲食」,「ものの出入り」,「表情・態度」,「種類」のように分けられたが,最も使用されているのは「言語」であり,身体部位として用いられていない「口」の中では8割以上の割合を占めていた。言語に関わるものや飲食に関わるものは,口本来の機能からも連想しやすいが,そこからさらに派生して意味が拡張していくと,「種類」のように,もとの意味から考えても意味が連想できないものも見られた。 「口」の派生表現は,慣用的に広く使われている表現も多くあるため,意味分類を提示する場合,例文があると分かりやすくなる。現在,例文が付与されていない『分類語彙表』においても,例文が提示されることによって,使われ方がより分かりやすくなることを示す。

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