術後早期にプレート折損を来たした人工肘関節周囲骨折の1例

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  • Early plate breakage after osteosynthesis for periprosthetic fracture of the elbow: A case report

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抄録

我々は,人工肘関節(以下TEA)周囲骨折に対する骨接合術後に早期のプレート折損を来たし,再手術に至った1例を経験した.症例は,93歳,女性.TEA施行後の左尺骨骨折に対し観血的骨接合術を施行した.固定には,1/3円プレート(スクリュー径2.7mm)を用いた.術後2か月の時点で明らかな外傷機転なくプレート折損を伴う再骨折が生じた.再骨折から4か月後に再手術を行い,LCPプレート(スクリュー径3.5mm)を用いて固定,自家骨移植を併用した.術後1年の時点で骨癒合が得られ,受傷前のADLレベルまで回復した.本症例の問題点は,固定インプラントの選択が適切であったか,ストレスに対する脆弱部を残した手技上の問題,および後療法,生活指導の不徹底の3点が考えられた.TEA後周囲骨折は原疾患やセメント使用により骨癒合に不利な状態となっており,治療の全過程で,より慎重な配慮が求められる.

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