小児用医薬品の国内開発における課題と今後の展開―小児用の医薬品開発に関する企業へのアンケート調査より―

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タイトル別名
  • Issues and Future Developments of Pediatric Drugs in Japan: From a Survey on Pediatric Drug Development in Japan
  • ショウニヨウ イヤクヒン ノ コクナイ カイハツ ニ オケル カダイ ト コンゴ ノ テンカイ : ショウニヨウ ノ イヤクヒン カイハツ ニ カンスル キギョウ エ ノ アンケート チョウサ ヨリ

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抄録

<p>本邦での小児用医薬品に対するニーズは高い一方で小児用医薬品の開発は促進されず,いわゆるドラッグラグまたはドラッグロスが生じている.小児用医薬品に対しての開発が進まない原因の一端を究明するため,日本国内の製薬企業および創薬ベンチャー企業に対して小児用医薬開発に関するアンケート調査を行った.日本で小児用医薬品を開発しない理由として,採算が取れない,治験実施の困難さ,義務ではない,が上位を占めた.小児の医薬品開発に寄与すると思われる7つの現行の制度に対する評価を調査したところ,薬価制度における小児加算を評価する意見が最も多く79.1%,そのほかの制度に対してもすべて60%以上が現行制度を評価していた.続いて,現行の制度のメリットを拡張する新たな提案15項目への評価を調査したところ,特許期間の延長(5年を上限)の上限を拡張する案,小児の適応を取得した医薬品の成人の適応にも薬価上のメリットを拡張する案,再審査期間の延長を拡張する案および疾患背景研究や疾患レジストリを促進させる案を評価するとの回答が多かった(83.6~92.5%).外国の小児用医薬品開発推進制度の日本への導入については,課題の解決などの前提がある場合も含め肯定的な意見が65.7%(44/67社)を占めた.しかし,インセンティブの案および欧米の制度についてはアンケート調査で課題も複数指摘されており,今後の小児用医薬品開発に向けてはこれらの課題の詳細および解決策もふまえた検討が必要であろう.</p>

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