焼却施設の廃棄物組成と家計消費額のデータ結合による全国レベルでの家計消費額当たり組成別廃棄物発生量原単位推計法の開発

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タイトル別名
  • Development of Methodology for Estimating Each Waste Composition Generation Unit Data by Integration Between Waste Composition Data at Incineration Plants and Household Expenditure

抄録

<p>廃棄物分野においてエネルギー回収・利用やその高度化,リサイクル率の向上などが地球温暖化対策を含む複数の問題の解決策として有力視され,計画段階から問題に対応するために廃棄物分野における総合的な評価システムを構築することの必要性が強まっている。一方で,エネルギー回収やリサイクル率の向上を模索するには処理を行う廃棄物の組成別の排出実態の把握が必要であるが,発生地点と廃棄物組成を統計分析で多数の実績データをもとに把握しようと試みた研究はほとんどない。本研究では,家計消費推計値の1 kmメッシュデータと全国の焼却処理場で公開されている環整95号基準における6つの組成別廃棄物処理量のデータに着目し,廃棄物輸送モデルによってデータ結合を行うことで家計消費と組成別の廃棄物発生との関係を検討した。作成された廃棄物組成・家計消費統合データについて家計消費の代替性を考慮し,説明変数の係数をRidge回帰分析によって求めることで,家計消費1単位からの組成別廃棄物発生量の原単位を作成した。作成した原単位をもとに,組成別の廃棄物発生量の地理的な分布を推計した。その結果,全量である場合,人口の多い都市圏近隣で廃棄物発生量は多くなるが,一人当たりとした場合には北海道や石川県,山口県などの地方部でも廃棄物発生量が多くなる地域が確認された。また,組成別の廃棄物発生量では組成によって地域差が大きくなるものと地域差が小さいものがあった。本研究では実績データによる統計分析に基づく家計消費1単位における原単位を推定する方法を開発することができた。これにより,複数の年代について同様のデータを収集することによって年代別の原単位を推計することが可能となり,時系列的な原単位の変化を推計できるモデルが構築できた。</p>

収録刊行物

  • 環境科学会誌

    環境科学会誌 37 (1), 1-14, 2024-01-31

    社団法人 環境科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017511236591360
  • DOI
    10.11353/sesj.37.1
  • ISSN
    18845029
    09150048
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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