繰り返す一過性脳虚血発作様症状で発症したリウマチ性髄膜炎の1例

  • 忽那 史也
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経内科
  • 荒田 昌彦
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター初期研修プログラム
  • 足利 裕哉
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経内科
  • 佐藤 和明
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経内科
  • 徳田 昌紘
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経内科
  • 岩永 洋
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of rheumatoid meningitis with transient ischemic attack-like episodes

抄録

<p>症例は53歳女性.関節リウマチ診断から2カ月後に一過性の右上下肢麻痺,失語を発症した.症状が繰り返すことから一過性脳虚血発作(transient ischemic attack: TIA)が疑われ,精査目的に当科へ入院した.頭部MRIで,左前頭葉および頭頂葉の髄膜に造影効果を伴う拡散強調画像/FLAIR画像高信号を認め,関節リウマチの既往からリウマチ性髄膜炎が疑われた.髄液検査で,抗環状シトルリン化ペプチド抗体ならびに抗体価指数の上昇を認め,リウマチ性髄膜炎と診断した.ステロイドによる治療反応性は良好で,症状の再燃はなく,画像所見も改善が得られた.臨床経過ならびに診察所見のみでの診断は困難であり,頭部造影MRIや髄液中抗環状シトルリン化ペプチド抗体の測定が診断に有用であった.リウマチ性髄膜炎ではTIA様症状を呈することがあり,TIA mimicsとして念頭に置く必要がある.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 advpub (0), 2024

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (17)*注記

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