外国人の受入れ社会への適応度に対する影響要因: 北九州市を例として

DOI
  • 彭 雪
    公益財団法人アジア成長研究所

抄録

人口減少が深刻化しつつある社会では,外国人の受入れは労働力の不足,消費者の減少,税・社会保障の担い手の減少等への解決策の1 つと期待されている。外国人が安心して生活・仕事できるようにするためには,彼らの社会への適応状況とそのメカニズムを解明することが喫緊の課題である。先行研究では,外国人の受入れ社会への適応メカニズムを「描き込む」ことに焦点を当てており,それは「問題解決」を出発点としたものではない。本研究は,人口減少に直面している地方都市北九州市を例として,外国人が安心して受入れ社会で生活できるような「適応」とそのメカニズムに注目したい。そこで,外国人としての「不愉快な経験の有無」と「都市の暮らしやすさ」を適応の指標として,その影響要因を分析した。分析の結果,住居や仕事,人間関係(コミュニケーション),偏見・差別の悩みが外国人の適応にマイナスに影響していることが見出された。また,居住期間は適応とU カーブの関係にあることが示された。研究結果から,外国人多文化共生についての政策提言を行った。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017611467091072
  • DOI
    10.20787/agishiten.34.2_52
  • ISSN
    1348091X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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