気管切開を要した小児咽頭狭窄症例に対する重症度スコアリング化の試み

  • 髙田 菜月
    国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科 岐阜県総合医療センター 耳鼻咽喉科
  • 原 真理子
    国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科
  • 和田 友香
    国立成育医療研究センター 新生児科
  • 渡部 高久
    国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科 地方独立行政法人東京都立病院機構 都立大塚病院 耳鼻咽喉科
  • 髙橋 希
    国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科 札幌医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 小川 武則
    岐阜大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 守本 倫子
    国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Severity Scoring for Pediatric Patients with Pharyngeal Stenosis Requiring Tracheostomy
  • キカン セッカイ オ ヨウシタ ショウニ イントウ キョウサク ショウレイ ニ タイスル ジュウショウド スコアリングカ ノ ココロミ

この論文をさがす

抄録

<p>咽頭狭窄による上気道閉塞では,軽症であれば経鼻エアウェイや非侵襲的陽圧換気などの保存的治療で症状が改善することもあるが,重症例では気管切開が必要となる。咽頭狭窄は重症度分類がなく,客観的な判断が困難である。咽頭狭窄の症状を重篤化させ,予後を左右する因子について明らかにするために,当院で気管切開が必要となった咽頭狭窄例(17例)について原因や予後,転帰について後方視的に検討を行った。鼻腔狭窄,上咽頭狭窄,中咽頭狭窄は各1点,喉頭軟弱症,気管軟化症,中枢性無呼吸,神経疾患は各2点,肺疾患および嚥下障害は各3点としてスコアをつけた。カニューレ抜去できた症例のスコアは1~4点,カニューレ抜去できなかった症例のスコアは4~13点であり,カニューレ抜去できた症例はスコアが有意に低かった。スコアが8点以上では人工呼吸器管理が必要となる傾向にあった。また嚥下障害があると有意差をもってカニューレ抜去ができなかった。こうしたスコア化をすることで,咽頭狭窄症例の呼吸障害治療方針決定の一助となると考えられた。</p>

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ