気管支鏡で摘出できた気道異物症例の検討

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  • A Clinical Analysis of Bronchial Foreign Bodies Removed by Bronchoscopy

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抄録

<p>背景.気道異物は窒息の原因となり,また放置すると閉塞性肺炎や無気肺などの合併症を引き起こすことがあるため,正確な診断と迅速かつ確実な摘出が求められる.目的.気道異物症例について,その特徴や除去方法について検討した.対象.2005年から2022年までの18年間に当院で気管支鏡検査を行った気道異物症例を対象とした.結果.気道異物症例は10例であった.年齢は68歳から88歳で全例が60歳以上の成人症例であった.男性9例,女性1例と男性が多かった.呼吸困難,咳嗽,発熱などの症状がみられたが,半数程度は自覚症状がなかった.異物陥頓部位は右7例,左2例,気管分岐部1例であった.異物の種類としては歯科関連異物が5例,次いで食物関連異物が3例,PTP包装カプセルが2例であった.胸部X線写真を施行した9例のうち,X線非透過性の異物が5例,X線透過性の異物が4例であった.X線非透過性の異物は全例が歯科関連異物であった.異物は胸部CTを施行した6例全例で確認できた.異物の除去は全例局所麻酔下で行い,使用した鉗子が確認できた9例のうち,鰐口型把持鉗子が7例,生検鉗子が2例であった.異物誤嚥から摘出までの期間は1時間から半年と幅広かった.PTP包装カプセルは内部に薬剤が残っているかどうかによって除去に要する時間が大きく異なっていた.結論.気道異物は今後高齢者の症例が増加することが予想される.胸部X線写真のみでは診断に不十分であり,詳細な問診に加えてCTを用いた画像診断が必要と思われた.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 46 (1), 20-24, 2024-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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