Endobronchial ultrasound-guided transbronchial forceps biopsy(EBUS-TBFB)が診断に有用であった肺腺癌の1例

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  • A Case of Lung Adenocarcinoma in Which an Endobronchial Ultrasound-guided Transbronchial Forceps Biopsy Was Useful for the Diagnosis

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抄録

<p>背景.Endobronchial ultrasound-guided transbronchial forceps biopsy(EBUS-TBFB)は,endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration(EBUS-TBNA)に追加することで,診断の向上が得られることが報告されている.症例.65歳,女性.X年11月に自宅にて転倒し,歩行困難となったため緊急入院となった.CT画像所見から右下葉原発肺癌cT2bN2M1c,cstage IVB(右大腿部骨転移)が疑われた.組織診断を目的に,気管支鏡検査を実施した.当初右中間気管支幹を閉塞する腫瘍の鏡視下生検を予定したが,壁外性の圧迫による狭窄所見であったため,EBUS-TBNAを実施した.穿刺針の種類や術者の変更,陰圧の調整も行うが検体採取に至らなかった.オリンパス社FB433DをBF-UC290Fに挿入し,穿刺孔よりEBUS-TBFBを試みた.超音波下に繰り返し生検した.HE染色では肺胞領域を含め採取されていることを確認し,肺腺癌と診断した.次世代シークエンス法にてRET融合遺伝子変異陽性を得たことから,セルペルカチニブの投与を開始した.2週間程度にて原発腫瘍はほぼ消失し,自宅退院となった.結論.EBUS-TBNAは肺癌組織採取に有用な検査であるが,しばしば組織採取が困難なことがある.追加手技としてEBUS-TBFBは有用と考え報告する.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 46 (1), 48-53, 2024-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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