洪水被害による市区町村の人口変動とその要因に関する統計的分析

書誌事項

タイトル別名
  • STATISTICAL ANALYSIS OF MUNICIPAL POPULATION CHANGE AND THEIR FACTORS CAUSED BY FLOOD DAMAGE

抄録

<p> 本研究は洪水災害が人口変動に与える影響を明らかにするための基礎調査として,日本の全市区町村を対象に,近年の洪水被害事例において,洪水被害が社会人口変化率に与える影響を定量的に分析した.洪水被害の規模を表す変数として,各市区町村における浸水面積率,床下浸水,床上浸水,全壊流失が生じた世帯率を使用し,これらが社会人口変化率に与える影響を重回帰分析と差分の差分(Difference-in-Differences,DID)分析により評価した.結果として,重回帰分析とDID分析のいずれにおいても床下浸水世帯率,床上浸水世帯率および全壊流失世帯率が,社会人口変化率に負の影響を与えることが確認された(p < 0.05).以上の分析により,近年の日本の洪水災害において,洪水被害は市区町村単位の社会人口変化に負の影響を及ぼす,すなわち社会人口を減少させることが示唆された.</p>

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参考文献 (6)*注記

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