書誌事項
- タイトル別名
-
- Characteristics and courses of COVID-19 in patients from the first through fifth waves of the disease: Focused on a single public health center in Tokyo, Japan
- ダイ1パ カラ ダイ5ハ マデ ノ COVID-19 カンセンシャ ノ トクチョウ ト ケイカ : トウキョウト イッコウセイク ノ データ ヨリ
この論文をさがす
抄録
<p>目的 新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)は世界的な公衆衛生上の脅威であり,本邦では地域の保健所が感染症対応の中心的な役割を担い,管轄地域の全感染者の基本的な情報を集積してきた。本研究は,全感染者の集団における対象者の属性,療養種別,発症や診断,転帰などの日数について,第1波から第5波までの波の特徴を明らかにすることを目的とした。</p><p>方法 本研究は2020年2月から2021年11月までの東京都一行政区のCOVID-19登録者データを用いた。年代,性別,国籍,診断時の症状,感染経路,療養種別,発症から診断までの日数,診断から入院までの日数,療養日数,転帰を第1波から第5波にわけて分析した。</p><p>結果 全解析対象者は11,252例,第1波151例,第2波803例,第3波2,406例,第4波1,480例,第5波6,412例であった。第1波では30歳代,第2波以降は20歳代が最多で,致死率は高齢になるほど上昇した。全波において男性が女性より多い傾向であった。肺炎合併率は第1波の25.2%からその後低下した。感染経路は不明以外で家庭内感染が最多であり,第1波では国外,第2波では接待を伴う飲食での感染が特徴であった。療養種別は第1波,第2波において入院が,感染者の急増した第3波以降は自宅療養が最多となった。第1波では発症から診断までの日数が中央値7日であった。診断から入院までの日数は,第1波から第4波までは中央値1日であったが,第5波は中央値3日と延長した。</p><p>結論 波ごとに感染者の特徴に違いがあり,対策の変化やウイルスの変異等が関連していること,そして,これらの特徴の変化が感染者対応を困難にする要因と考えられた。効果的な感染症対策には,より迅速な感染状況の把握が重要である。第1波における発症から診断までの遅れや第5波での診断から入院までの日数の増加があり,今後起こりうる新興感染症対応時には,初動時の検査の早急な拡充とともに,重症化が顕著な場合は入院病床の十分な確保が必要である。</p>
収録刊行物
-
- 日本公衆衛生雑誌
-
日本公衆衛生雑誌 71 (2), 117-123, 2024-02-15
日本公衆衛生学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390017732461761792
-
- NII書誌ID
- AN00189323
-
- ISSN
- 21878986
- 05461766
-
- NDL書誌ID
- 033332000
-
- PubMed
- 38008459
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- PubMed
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可