重度・最重度知的障害のある人の地域生活支援における意思決定支援の問題と今後の課題――医療同意に焦点を当てて――

書誌事項

タイトル別名
  • Supported Decision-Making in Community Life Support for People with Severe or Profound Intellectual Disability: Focusing on Consent for Treatment
  • ジュウド ・ サイジュウド チテキ ショウガイ ノ アル ヒト ノ チイキ セイカツ シエン ニ オケル イシ ケッテイ シエン ノ モンダイ ト コンゴ ノ カダイ : イリョウ ドウイ ニ ショウテン オ アテテ

この論文をさがす

抄録

<p>本研究では,権利擁護の観点から,重度・最重度知的障害のある人の意思決定支援(SDM)の問題と課題について医療同意にも焦点を当て検討する.国内外の先行研究,フィールドワークでのエピソードをもとに検討した結果,まず「地域の施設化」の枠内ではなく「障害のない者との平等」を志向し,SDMを行う選択・決定の幅を拡げることが課題であると指摘した.つぎにSDMの促進要因となる本人と支援者との関係の親密さには支援者各々で質の違いがあり,SDMのプロセスで「支援の輪」を構成する重要性が確認された.そして,医療同意に家族の意向が優先される現状でSDMを行うには,本人と共同および親密な関係にある支援者の意向を決定内容にいかに含められるかが問われると考察した.今後の課題として「障害のない者との平等」の機会の保障,SDMのライフステージを通した連続性,支援者の応答性の向上を目指す組織体制の整備が重要であると提示した.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 64 (3), 54-67, 2023-11-30

    一般社団法人 日本社会福祉学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ