高等教育機関におけるキャリア教育の諸問題

書誌事項

タイトル別名
  • コウトウ キョウイク キカン ニ オケル キャリア キョウイク ノ ショモンダイ

抄録

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キャリア教育の重要性が高まる中、高等教育機関におけるキャリア教育の開発と実施は十分に展開されているとはいえない。高等教育機関では、2011年1月の中央教育審議会の答申、同年4月の大学設置基準の見直しなどにより、各大学は独自のキャリア教育の導入が要請されている。それに対し、大学生の就職難、卒業後の初期キャリアの課題、社会で必要とされる職務知識やスキルの変化などが顕在化しているにもかかわらず、各大学のキャリア教育の対応は遅れている。翻って、SFCでは1990年のキャンパス設置の際、既にキャリア教育の重要性が提示されていた。職業指導、就職指導という概念に加えて、ライフキャリアにおけるキャリア開発の重要性というビジョンをもとに、キャリアデベロップメント委員会が設立され、就職活動の支援を行ってきたのである。2011年4月の大学設置基準の見直しで提起された、社会的自立・職業的自立がすでに、ライフキャリアにおけるキャリア自律の実践というコンセプトとして広くキャンパスで提供される様々な教育に浸透していた。慶應義塾の建学の精神である、独立自尊が、キャリア教育の中で実践され、キャンパスの教育風土として確立されてきたのである。高等教育機関におけるキャリア教育は、現在必ずしも確立されているとはいえないが、SFCがこの分野で貢献できる可能性は大きいといえよう。

特集 高等教育 招待論文

収録刊行物

  • Keio SFC journal

    Keio SFC journal 11 (2), 73-85, 2011

    慶應義塾大学湘南藤沢学会

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