上下の時間表現の認知モデル研究
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- 鄭 新爽
- 大連大学
抄録
本稿の研究では、主に中国語の一部の上下の時間表現を研究対象にし、背後の認知モデルを明確にする。具体的に、上下の時間表現の背後の認知モデルに対し、主流の時間メタファー説と異なり、この認知モデルは上下の書字体系から、認知主体の主体化と希薄化という二つの認知プロセスを経て上から下までの順序認識のものであると提案する。特に、順序認識と時間認識を区別する必要があると主張する。つまり、前者は時間性なしの純粋な空間上の位置関係を認識する際に用いられる順序認識に付随して生まれた順序用法が順序的時間関係を表すことであり、後者は出来事を時間軸に沿って認識する際に付随する順序認識によって生まれた順序用法は時間的順序関係を表すことである。さらに、中国語の母語話者に対し、上下の書字体系と時間認知モデルの方向が一致するかどうかについて、心理実験を行う。
収録刊行物
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- 日中言語文化
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日中言語文化 17 (0), 55-61, 2024
日中言語文化教育推進会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390017843853326720
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- ISSN
- 24364517
- 2435273X
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可