防災ヘリコプターを用いた新生児内科医師による新生児搬送

書誌事項

タイトル別名
  • Using of Fire Helicopters for Neonatal transportation by neonatologist-staff
  • ボウサイ ヘリコプター オ モチイタ シンセイジ ナイカ イシ ニ ヨル シンセイジ ハンソウ

この論文をさがす

抄録

<p> 2020年6月より岐阜県総合医療センターでは、産婦人科施設へのドクターデリバリーを目的として、防災ヘリを専用に用いた、新生児搬送の本格運航を開始した。</p><p>経緯と実績:岐阜県は2011年より岐阜大学医学部附属病院を基地病院として、ドクターヘリの運航を開始した。要請件数は年々増加傾向にあり新生児診療でのドクターヘリの使用は、同じ岐阜市内であっても、他施設である当院とでは運航調整困難となってきた。</p><p> 当院は防災ヘリの基地である岐阜県防災航空隊岐阜基地とは数キロの距離である。新生児診療の各種機材を一体化したユニットを作成し、迅速に出動する体制を整備することで、新生児搬送要請から30分以内に当院屋上ヘリポートへの新生児診療対応のスタッフをピック・アップする方式を可能とした。現在までの運航実績は2019年3月からの試験運航開始から、2022年12月までに9件あり、県内の新生児診療対応困難地域への出動であった。患児の未熟性が強く、重症度も高く、全例人工呼吸器の使用となっている。</p><p>今後と考察:過去の遠方からの要請から判断すると、今後の啓発により年間20件近くの活動を想定している。当院の如く、積極的な防災ヘリの活用を新生児内科スタッフのみ行っている地域は少なく、他の小児専門病院においても、ドクターヘリを使用することなく、ドクターデリバリーが可能であると考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ