東北地区の感染症看護の実態と教育ニーズ調査

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  • Survey of Practices and Educational Needs of Infection Control Nursing in the Tohoku Region

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抄録

【目的】 COVID-19によるパンデミックにより感染看護が着目され重要性は高まっている。日本看護協 会では感染症専門看護師を認定しているが東北地方には大学院教育課程が設置されていないため、現在 本学では感染看護専攻教育課程の新設へ向けて準備中である。今回、質の高い感染症看護教育を提供す るため、感染症看護専門看護師・感染管理認定看護師の現状の業務内容及び教育のニーズを明らかにす ることを目的として調査を行った。 【対象と方法】 対象は東北6県の病院勤務の感染管理認定看護師177名と感染症看護専門看護師4名 とした。1)基本属性、2)現在の業務内容、3)受けた教育内容、4)希望する感染看護教育内容、 5)資格取得にあたり希望する支援について調査した。 【結果】 感染症看護専門看護師2名、感染管理認定看護師60名、専門・認定両方の資格保持者1名、計 63名から回答を得た。現在の業務内容として「そうだ」「まあそうだ」の割合が90%を超えていたのは 「看護職に対して実践に関する指導をする」「看護職に対して専門領域の教育における主体的な関わり を行う」「他の医療従事者が持つ専門的知識に対し、お互いに価値を認め合い協同して医療サービスを 提供する」「医療関連感染の発生を監視している」「病院全体あるいは各病棟に対し具体的な感染予防や 対策を提案し実施している」「各就業環境に合わせて職業感染対策を実施している」「感染対策指導や教 育講演の実施等の地域貢献を行なっている」であった。受けた教育内容で「やや十分でない」「十分で ない」の割合が多かったのは「解剖学」「分子生物学」「放射線学」「フィジカルアセスメント」「卓越 した看護技術」であった。感染看護教育内容で希望が多かったのは「看護研究の実践・活用能力」「薬 理学」「微生物学」「フィジカルアセスメント」「最新の看護情報」「統計的手法」であった。希望する支 援・勤務条件では、「勤務先による勤務形態への配慮」が最も高かった。 【結論】 感染症看護専門看護師・感染管理認定看護師の現状の業務内容及び教育のニーズの実態調査を 行った。本調査結果を基に質の高い感染症看護教育を提供するシステムを構築し、山形県をはじめ東北 地方の感染症看護人材の育成に貢献したいと考えている。

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