胸膜腫瘍で発見された原発不明小細胞癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Small Cell Carcinoma of Unknown Primary Cancer Presented with a Pleural Tumor

抄録

<p>症例:69歳,男性.現病歴:64歳時に早期胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行された.術後無再発で経過していたが,術後4年6カ月時の定期CTで胸膜腫瘍を2箇所指摘され,当科へ紹介となった.PET-CTでいずれも異常集積を認めたため,手術の方針とした.腫瘍は肋骨に浸潤を認めたため,胸壁胸膜合併切除し病変を摘出した.病理診断結果は2箇所とも小細胞癌であった.肺原発が最も疑われるが,画像上肺に病巣を見いだせないため原発巣不明小細胞癌の転移性胸膜腫瘍と診断した.術後頭部MRIを施行したが,転移を認めなかった.術後化学療法は行わず経過観察していたが,縦隔リンパ節および左腸骨に再発転移を認め,術後6カ月目より化学療法を開始した.考察:原発不明小細胞癌の転移臓器となると縦隔リンパ節の報告はあったが,限局した胸膜腫瘍が初発病巣とする報告は未だない.今回,胸膜腫瘍で発見された原発不明小細胞癌を経験したので報告する.</p>

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