超音波検査装置を用いる末梢静脈カテーテル留置・固定のための新ドレッシングフィルムの開発

DOI
  • 村山 陵子
    藤田医科大学保健衛生学部看護学科
  • 阿部 麻里
    東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a new dressing film for peripheral venous catheter placement and fixing using ultrasonography

抄録

超音波検査装置(エコー)は,非侵襲,非拘束,リアルタイムに皮下組織のアセスメントが可能である.それを活用し,末梢静脈カテーテル留置の際にエコーで観察しながら穿刺,および留置を可能とするカテーテル留置技術を考案した.しかし観察する際に用いるプローブやエコーゼリーによって清潔野が確保しにくく,感染の恐れを伴うことが課題であった.そこで超音波透過性のよいカテーテル固定用ドレッシングフィルムを,産学連携(看護理工学会員と賛助会員の企業との連携)により製作し,一般医療機器として上市にいたった.入院患者に対し新ドレッシングフィルムを使用し,視診できない血管をエコーで画像描出できたことでカテーテル留置が成功し実用化できたことより,開発が完了したことを報告する.今後はさらに使用実績を積み,ユーザビリティーや医療従事者,患者双方の満足感,費用対効果の検証もしながら,さらなる現場のニーズを開発者にフィードバックしていく必要がある.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→末梢静脈カテーテル留置のアセスメント技術にエコーを用いたいが,穿刺部の清潔野を保つバリア機能と固定機能を併せ持つドレッシングフィルムが国内にないこと.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ エコー透過性のよい新ドレッシングフィルム上にゼリーを載せて使えることで,視診・触診できない血管への穿刺がエコー下で安全に成功する可能性が高まる.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→ユーザビリティーの評価,医療従事者・患者双方の満足感,費用対効果の検証を経て,さらなるニーズに対応できるドレッシングフィルムの改良.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017843874874240
  • DOI
    10.24462/jnse.11.0_106
  • ISSN
    24326283
    21884323
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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