気候変動によるダム貯水池の水温構造及び底層DO濃度に対する影響評価

  • 服部 啓太
    国立研究開発法人土木研究所 流域水環境研究グループ
  • 對馬 育夫
    国立研究開発法人土木研究所 流域水環境研究グループ
  • 山下 洋正
    国立研究開発法人土木研究所 流域水環境研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • EVALUATION OF THE IMPACTS OF CLIMATE CHANGE ON THERMAL STRUCTURE AND DISSOLVED OXYGEN CONCENTRATION IN THE BOTTOM LAYER OF DAM RESERVOIRS

抄録

<p> 近年,気候変動の影響による水環境の変化が顕在化しており,ダム貯水池においては水温上昇や底層DO濃度低下等の水質変化が懸念されるが影響に関する知見は不足している.そこで,本研究では気候変動によるダム貯水池の水温構造及び底層DO濃度に対する影響を評価するため,鉛直2次元モデルによる数値計算をダム貯水池の規模を変化させた仮想ダム貯水池で行った.計算の結果,表層と底層の水温差はRCP_4.5とRCP_8.5の条件において現在気候と比較して上昇する傾向が見られたが,RCP_6.0の条件では7–8月の水温差が低下する傾向が見られた.また,水温勾配の最大値についても将来気候下では3–5月の最大値が増加する傾向が見られ,水温躍層の形成が早期化し,それに伴う底層DO濃度の低下も発生することが示唆された.</p>

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