レチノール飽和化酵素によるフェロトーシスの制御

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抄録

フェロトーシスとは,自由鉄依存的に過剰蓄積した酸化リン脂質による非アポトーシス性プログラム細胞死である.様々な疾患との関連が明らかになりつつあり,特に,がんの新たな治療戦略として注目を集めている.抗酸化作用を有するビタミンEやその代謝物のビタミンEヒドロキノン,さらにビタミンKなどがフェロトーシスを抑制する食品成分として知られている.最近,これらに加え,ビタミンAもフェロトーシスに関わることが報告された. 化学構造からビタミンAを含むレチノイドが抗酸化作用を示すことは想像できるが,代謝変換によってフェロトーシスに対する作用強度が変化することも見いだされるなど,興味深い内容であったため本稿で紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Hinman A. et al., PLoS ONE, 13, e0201369(2018).<br>2) Mishima E. et al., Nature, 608, 778–783(2022).<br>3) Bi G. et al., Cancer Res., 83, 2387–2404(2023).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 60 (3), 240-240, 2024

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017843890819072
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.60.3_240
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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