<i>Bifidobacterium breve</i> strain Yakult 経口投与による腸内環境改善が引き起こすアトピー性皮膚炎改善効果

DOI
  • 志岐 幸祐
    近畿大学大学院農学研究科応用生命化学専攻
  • 立石 里佳
    近畿大学大学院農学研究科応用生命化学専攻
  • 藤崎 明日香
    近畿大学大学院農学研究科応用生命化学専攻
  • 倉田 淳志
    近畿大学大学院農学研究科応用生命化学専攻
  • 山田 秀和
    近畿大学奈良病院皮膚科
  • 水口 信行
    近畿大学ライフサイエンス研究所
  • 伊藤 龍生
    近畿大学大学院農学研究科応用生命化学専攻 近畿大学農学部食品栄養学科 近畿大学アンチエイジングセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of oral administration of <i>Bifidobacterium breve strain Yakult</i> on atopic dermatitis via improvement of the intestinal environment in a mouse model

抄録

<p>【目的】アトピー性皮膚炎(AD)は掻痒感や湿疹を主病変とする。ADは,2型ヘルパーT細胞(Th2)へ分化が偏ることで発症する。また制御性T細胞(Treg)が免疫応答を制御しADの発症を防いでいる。腸内フローラがADに深く関わると報告されていることから,プロバイオティクスの一つであるBifidobacterium breve strain Yakult(BY)に着目した。本研究では,ヒト様ADモデル(Nc/Nga)マウスを用いてBY経口投与による,AD改善効果について検討した。</p><p>【方法】NC/Ngaマウスの背中に塩化ピクリル溶液を塗布しADを発症させ,0.2mL/日の水道水を経口投与した群をAD群,BY懸濁液(5×109CFU/0.2mL/日)を経口投与しADを発症させた群をBY群とした。ADを発症させずに水道水(0.2mL/日)の経口投与した群をControl群とした。飼育期間終了後,病変部位である背中の皮膚・小腸を採取し,検討した。</p><p>【結果】背中の病変部位において,AD群と比較してBY群で病変の改善が見られた。また病変部位で,炎症のマーカーであるCOX-2タンパク質発現量が有意に減少した。そして,Th1・Th2発現がAD群と比較してBY群で減少し,Treg発現は増加した。小腸において,Th1,Treg発現がAD群と比較してBY群で増加し,Th2発現は減少した。</p><p>【考察】病変部位ではBY投与により,Tregの発現を増加に伴いTh2の発現が抑制され,ADが改善された。また小腸でも,Tregの増加により免疫バランスが改善した。以上より,BY投与により腸管免疫が改善されることで,ADが改善することが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017843890985344
  • DOI
    10.60353/jcsim.25.1_38
  • ISSN
    27591484
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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