内視鏡下甲状腺手術

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  • ナイシキョウ カ コウジョウセン シュジュツ

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抄録

<p> 甲状腺疾患は女性に多く, 前頸部を切開する通常法手術では傷跡が目立ち, 生活の質を低下させる恐れがある. 一方, 内視鏡下甲状腺手術では頸部内からアプローチするため, 頸部に傷跡が残らず美容上優れており, その需要は今後さらに高まることが予想される.</p><p> 内視鏡下甲状腺手術は本邦では2016年に良性腫瘍, 副甲状腺腫瘍, バセドウ病に対して, 2018年に悪性腫瘍に対して保険収載されたが, まだ導入している施設は少ない. 今回, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域での内視鏡下甲状腺手術の現状を調べるために, 頭頸部がん指定研修施設に対してアンケート調査を行った. 内視鏡下甲状腺手術を導入している施設は少なく, 頭頸部がん指定研修施設の2割程度であった. 導入している施設もまだ症例数は少なく, 試行錯誤しながら経験を積んでいることが分かった. 今後は手技の標準化, 技術向上のための教育的資材の作成, 手術サポート体制の充実などを行っていく必要があると考える.</p><p> 現在, 内視鏡下甲状腺手術は世界中でさまざまな方法で行われているが, 本邦では VANS(Video-assisted neck surgery) 法が主流である. 200症例を超えるこれまでの経験を踏まえ, 当科で行っている VANS 法について報告する.</p>

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