物性物理における「量子加速」の探索

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タイトル別名
  • Search for quantum advantage in condensed matter physics

抄録

<p>量子デバイスの発展が爆発的に進む現代において,次の時代のマイルストーンとして目指すべき課題は,実用的な問題において量子計算機によって,古典計算機の性能を凌駕(りょうが)すること,すなわち量子加速を達成することである.本稿では,その主戦場となるべき分野が物性物理学にあることを論じた最近の研究を紹介する.該当論文の主な寄与は,①テンソルネットワーク法に基づいた古典計算アルゴリズムの実行時間解析手法の提案,②命令レベルでの誤り耐性量子計算アルゴリズムの実行時間評価,③2次元強相関量子多体系における量子加速領域の発見,の3点に集約される.本稿で議論される格子模型は,量子ビット数・実行時間の双方で,これまでに知られていた他の量子加速の舞台よりも要求するリソースが少ないことから,誤り耐性量子計算機の研究開発において道標としての役割を担うことが期待される.</p>

収録刊行物

  • 応用物理

    応用物理 93 (3), 165-168, 2024-03-01

    公益社団法人 応用物理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017843891591296
  • DOI
    10.11470/oubutsu.93.3_165
  • ISSN
    21882290
    03698009
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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