日本人女性に多い卵巣明細胞腺癌における足場タンパク質を介した免疫チェックポイント分子PD-L1の発現調節

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タイトル別名
  • Modulation of Immune Checkpoint Molecule PD-L1 Expression via Scaffold Proteins in the Ovarian Clear Cell Carcinoma Common in Japanese Women

抄録

<p> 我が国における卵巣癌の罹患率及び死亡率は年々増加し、特に思春期・若年成人(AYA)世代から急増する。卵巣癌の組織型の中でも日本人の発症頻度が高い明細胞腺癌は、化学療法抵抗性で極めて予後不良である。卵巣明細胞腺癌に対する新たな治療法として、Programmed death-1(PD-1)/PD-ligand 1(PD-L1)経路を標的とした免疫チェックポイント阻害療法への期待が高まる一方、その奏効率は極めて低い。このことから、PD-1/PD-L1経路を阻害する新規治療標的の探索が切望されている。</p><p> 細胞内の足場タンパク質Ezrin/Radixin/Moesin(ERM)ファミリーは、癌関連細胞表面分子と細胞内のアクチン骨格とを連結し、細胞表面局在を調節する。本研究では、日本人女性由来の卵巣明細胞腺癌細胞株OVTOKO細胞を用い、PD-L1の細胞表面局在調節におけるERMの役割を解析した。PD-L1とERMは細胞膜で高度に共局在し、分子間相互作用を形成した。興味深いことに、Ezrin/Radixinと異なり、Moesinの発現抑制はPD-L1のmRNA発現量へ影響することなく、その細胞表面発現量を低下させた。以上の結果、ERMの中でもMoesinが、OVTOKO細胞表面PD-L1の局在調節に関与する可能性が示された。</p>

収録刊行物

  • AYAがんの医療と支援

    AYAがんの医療と支援 4 (1), 1-8, 2024

    一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017887629679360
  • DOI
    10.34598/ayaoncology.4.1_1
  • ISSN
    24359246
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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