書誌事項
- タイトル別名
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- Granulomatous Rosacea Aggregatively Occurring on the Nose
抄録
<p>患者:50 代,男性</p><p>主訴:鼻部左側の紅色および常色丘疹</p><p>既往歴:両鎖骨骨折で手術(高校生の頃)</p><p>現病歴:初診1 年前より鼻部左側に一部赤みを伴う丘疹が集簇性に多発してきた。近医皮膚科にてナジフロキサシンクリームを処方されていたが難治のため前医を受診し当科を紹介され受診した。</p><p>現症:鼻部左側に紅色~常色の丘疹が集簇性に多発していた(図 1 a,b)。</p><p>病理組織学的所見(HE 染色):紅色丘疹と常色の丘疹をそれぞれ生検した。紅色丘疹の角層・表皮には著変なく,真皮には浅層の血管拡張や膠原線維の増生,毛包脂腺周囲へのリンパ球や好中球浸潤と類上皮肉芽腫形成があり(図 2 a),一部では変性物を取り囲むように島状に増生し,多核巨細胞もみられた(図 2 b)。常色丘疹の角層・表皮には著変なく,真皮では浅層の血管拡張と豊富な皮脂腺と膠原線維の増生と毛包脂腺周囲にリンパ球や好中球の小集簇がみられた(図 2 c,d)。いずれの丘疹にも標本中に毛包虫はみられず,Grocott 染色,Ziehl-Neelsen 染色では真菌,抗酸菌様構造はみられなかった(図示なし)。</p><p>診断:肉芽腫性酒皶</p><p>治療および経過:確定診断後,ドキシサイクリン 100 mg/ 日の 2 週間内服と桂枝茯苓丸 6.0 g/ 日の内服,メトロニダゾールゲル 1 日 2 回外用による治療開始 8 週後には鼻部左側の紅色,常色丘疹ともにかなり軽快した(図 1 c)。メトロニダゾールゲルは 16 週間で中止し,治療開始 20 週現在,紅色丘疹もさらに落ち着き再燃なく経過している。</p>
収録刊行物
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- 西日本皮膚科
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西日本皮膚科 86 (1), 5-6, 2024-02-01
日本皮膚科学会西部支部
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390017898671991936
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- ISSN
- 18804047
- 03869784
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可