皮膚 Rosai-Dorfman 病の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Cutaneous Rosai-Dorfman Disease

抄録

<p>55 歳,女性。初診 1 年 2 カ 月前に腰部に圧痛のない皮下硬結が出現した。徐々に増大したため,初診 10 カ 月前に前医を受診した。同部位の生検を施行され,病理組織診断が自壊した粉瘤の疑いだったことから,経過観察されていた。その後,右肩部にも同様の皮下硬結が出現したため,初診 3 カ 月前に切除したところ,Rosai-Dorfman 病の診断だった。全身検索のため,初診 1 カ 月前に全身 CT を施行した結果,他臓器病変はなく,右肩・腰部・背部に皮下腫瘤を指摘された。病変が多発し,切除後の再発も認めたため,精査加療目的に当科を紹介され受診した。全身麻酔下に腫瘍部を切除され,腰部背部は縫縮,右肩部は欠損が大きかったため人工真皮を貼付した。病理組織学的に,真皮から皮下脂肪織に多数の組織球が浸潤し,emperipolesis を認めた。免疫組織化学染色では S-100 蛋白陽性,CD1a 陰性であり,皮膚 RosaiDorfman 病と診断した。右肩の病変については,筋膜を含めて切除されたものの,断端陽性だったために追加切除後に全層植皮術を施行された。皮膚 Rosai-Dorfman 病は比較的予後良好な疾患とされているが,再発のリスクを常に念頭に置きながら注意深い経過観察を要する。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 86 (1), 43-46, 2024-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ