発育期の子どもにおける運動制御の正確性と 運動単位活動との関連

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タイトル別名
  • The Association between Accuracy of Motor Control and Motor Unit Activity in Developing Children

抄録

<p>子どもは大人と比較して力発揮の正確性が劣ることが知られているが,筋収縮を行うための指令を伝達している運動単位 (Motor unit,以下MU) の活動特性については十分に理解されていない.本研究は,子どもにおける力発揮の正確性とMU活動の特徴について明らかにすることを目的とした.6歳から12歳の子ども18名と健康な大人18名が,等尺性最大膝伸展筋力 (Maximal voluntary contraction,以下MVC) と50%MVCまでのランプアップ (徐々に発揮筋力を増加させる) 課題を実施した.外側広筋より運動中の高密度表面筋電図を収集し,個々のMU活動に分解した.結果より,子どもは大人と比較して発揮筋力の増加時に力発揮の正確性が有意に低かった (p<0.001).MU活動について,子どもは大人と比較して有意に高いMUの発火頻度 (Firing rate,以下FR) を示し (p<0.05),全ての動員閾値 (Recruitment threshold,以下RT) のMUにおいて同様の傾向が見られた.MU FRの増加量は,最もRTの低いMUについて動員初期に大きく,対照的にRTがより高いMUについては,動員初期を除く区間において大人が大きい結果を示した.以上のことから,子どもはMUを高いFRで制御しているだけでなく,動員初期に急激にFRを高めている傾向が見られた.子どもと大人における力発揮の正確性の違いは,このMU活動の特徴に関連している可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • デサントスポーツ科学

    デサントスポーツ科学 45 (0), 142-152, 2024-02-22

    公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017909459640448
  • DOI
    10.57488/descente.45.0_142
  • ISSN
    27584429
    02855739
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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