精神科救急病棟における睡眠薬使用の実態と睡眠薬多剤使用に関連する因子の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Sleep medication use in psychiatric emergency ward and factors associated with administration of multiple sleep medications: a single-center, university hospital-based, cross-sectional study
抄録
不眠症は罹患頻度が高い睡眠障害である.これまで,不眠症に対してはベンゾジアゼピン受容体作動性睡眠薬が主に使用されてきたが,副作用や,大量服薬,多剤併用・長期投与の問題も指摘されている.そのため,本研究では診療録を基に,2014年1月1日から2021年12月31日まで昭和大学横浜市北部病院精神科救急病棟に入院した全患者の睡眠薬使用の実態を報告し,睡眠薬使用者における多剤使用に関連する因子を特定することを試みた.調査期間に入院した全患者1,696例の診療録から,患者の年齢,性別,診断名,罹病期間,入院時形態,飲酒,喫煙,在棟期間,入院回数,保護室の使用,電気けいれん療法,ハロペリドール点滴使用,入院時の初回処方内容,最終処方内容を集計した.次いで睡眠薬を処方された群のうち単剤群と多剤群を比較し,睡眠薬の多剤処方を目的変数として多変量ロジスティック回帰分析を行った.最終処方で睡眠薬を処方されていたのは946例(55.8%)であった.睡眠薬単剤群654名(38.6%)と睡眠薬多剤群292名(17.2%)を比較すると,睡眠薬多剤群は罹病期間や治療期間が長く,入院回数や,飲酒/喫煙率,障害年金の利用が多かった.疾患別では双極性障害では多剤の睡眠薬が処方された.入院治療を比較すると,任意入院では多剤使用群が多かった.また,2剤以上の睡眠薬使用に関連する因子として,生活保護が負の関連を示したが,喫煙,入院回数,双極性障害,ADHD,自宅退院は正の関連を示した.本研究の結果から,精神科救急病棟の睡眠薬使用患者において多剤群と関連する因子は喫煙,入院回数,双極性障害,ADHD,自宅退院であった.今後は患者の生活習慣に関連する因子や多剤併用となりやすい疾患などに注意し,入院中から包括的な対策を講じる必要があると考えられる.
収録刊行物
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- 昭和学士会雑誌
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昭和学士会雑誌 84 (1), 27-37, 2024
昭和大学学士会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390017909459691904
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- ISSN
- 2188529X
- 2187719X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可