NOGマウスにおける最低腫瘍形成用量の検討

DOI
  • 飯田 真志
    株式会社LSIM安全科学研究所 熊本研究所
  • 押方 孝文
    株式会社LSIM安全科学研究所 熊本研究所
  • 樋口 剛史
    株式会社LSIM安全科学研究所 熊本研究所
  • 菅野 剛
    株式会社LSIM安全科学研究所 熊本研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of minimum tumor-producing dose in NOG mice

抄録

<p>【目的】重度免疫不全動物であるNOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Sug/Jic(NOG)マウスはヒト細胞を含む異種細胞の生着性が高いため、再生医療等製品のIn vivo造腫瘍性試験に用いられている。In vivo造腫瘍性試験は移植細胞自体が増殖して腫瘍を形成するリスクを評価する試験で、本邦のガイドラインにおいて、陽性対照細胞の最低腫瘍形成用量(TPDmin)を事前に評価しておくことが推奨されている。今回我々は、HeLa細胞及び未分化iPS細胞をNOGマウスに投与し、TPDmin及び腫瘍形成期間の検討を行った。 </p><p>【方法】ヒト間葉系幹細胞に対し、HeLa細胞及び未分化iPS細胞がそれぞれ0.0001%、0.001%、0.01%の割合で混在するようにスパイクし、各細胞3用量をNOGマウスに皮下投与した。未分化iPS細胞は、マトリゲル及びROCK(Rho-associated coiled-coil containing kinase)阻害剤を混合して投与した。観察期間は、HeLa細胞投与群は投与後16週間、未分化iPS細胞投与群は投与後20週間とし、一般状態観察、触診及び腫瘤径測定、剖検、並びに病理組織学的検査を実施した。 </p><p>【結果及びまとめ】HeLa細胞投与群では、投与後13週までに全ての用量で投与部位に腫瘤が形成された。腫瘤は剖検日まで増大し、病理組織学的検査では皮下にHeLa細胞による腫瘍形成が認められた。未分化iPS細胞投与群では、投与後20週まで全ての用量で経時的に増大する腫瘤はみられなかった。病理組織学的検査では一部の動物で投与部位の皮下に線維形成が認められ、線維細胞が抗ヒト核抗体を用いた免疫染色に対して陽性を示したものの、造腫瘍性を疑う病変ではなかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017920607959808
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p2-131
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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