化粧品の安全性評価におけるリードアクロスおよびトランスクリプトームデータ活用の可能性

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タイトル別名
  • Future Use of Read-across and Transcriptome Data for Safety Assessment of Cosmetics

抄録

<p>EU化粧品指令第7次改正に伴い、2013年3月より動物実験を実施した成分を使用した化粧品の販売がEU域内で全面禁止となってから10年が経過した。標準化された動物実験代替法がとりわけ全身毒性評価には存在しないなか、欧州を中心に開発の進むNext generation risk assessment (NGRA)と呼ばれるフレームワークにも代表されるように、動物を用いない化粧品の安全性評価は入手可能な情報や試験結果をケースに応じて組み合わせたweight-of-evidenceによる評価が中心となりつつある。 評価対象物質(ターゲット)のNOAELなどリスク評価に必要な指標が得られないとき、次のアプローチにはリードアクロスが考えられる。リードアクロスとは、ターゲットの毒性を類似の化学物質(アナログ)の既存の毒性情報から推定する手法であり、すでに多くの業界で普及が進み、標準的な安全性評価手法となった。 NGRAのなかでも上層に位置するリードアクロスであるが、十分なアナログとその毒性情報が集められるデータベースの不足は依然として課題である。もう1つの課題は、選出したアナログの毒性学的妥当性の説明の難しさである。近年では化学構造情報を基にしつつトランスクリプトームデータなどin vitro系を組み合わせた新たなリードアクロス手法の検討に注目が集まる。 これら課題を解決するため、我々は世界中に存在する2億を超える化合物からアナログを抽出する包括的リードアクロスや、将来的にリードアクロスをエキスなど混合物にも展開することを目指し、トランスクリプトームデータの類似したアナログ抽出を行う手法の開発に取り組んできた。本シンポジウムでは、リードアクロスおよびトランスクリプトームデータを用いた安全性評価手法について、最新の動向や課題とともに、我々の取り組みに関して最新の検討結果を含めて紹介する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017920608123648
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_s18-4
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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