日本における心理的感受性概念とその測定方法についてのレビュー

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  • A Review of the Concept of Psychological Sensitivity and its Measurement in Japan
  • ニホン ニ オケル シンリテキ カンジュセイ ガイネン ト ソノ ソクテイ ホウホウ ニ ツイテ ノ レビュー

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抄録

本稿では,過去10年間で心理的感受性を扱った日本国内の文献を収集し,そこで扱われている心理的感受性概念とその測定方法についてまとめた。心理的感受性は大きく[1]感覚処理感受性,[2]対人関係・社会生活における感受性,[3]その他特定の刺激に対する感受性,の3 つに分類され,感覚刺激に対する感受性を扱った[1]の文献数が最も多かった。感受性の概念とその測定方法の曖昧さについて調査から見えてきた問題点は,「HSPは生きづらい」という社会の曖昧な印象においておそらく[1][2][3]のような刺激の分類は想定されておらず,その結果として,個人の「生きづらさ」に合わせた感受性の測定や詳細な自己理解が困難であることだ。研究においても,複数の感受性概念とその測定尺度の関係性が構造化されておらず,使用尺度の選択や因子構造が各研究で異なるため,曖昧さが生じていると考えられる。そこで,概念間や測定尺度の関係性を明示・構造化すること,様々な手法や視点を用いた多角的な検討を行うこと,感受性に関する実践研究や知見の普及を進めること等が,今後の心理的感受性研究の展望として挙げられる。

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