特権と不利の狭間で : 日本における西洋人「ミドリング・マイグラント」の部外者扱い

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タイトル別名
  • Between Privilege and Disadvantage: Western Middling Migrants’Outsider Treatment in Japanese Companies
  • トッケン ト フリ ノ ハザマ デ ニホン ニ オケル セイヨウジン ミドリング マイグラント ノ ブガイシャ アツカイ

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抄録

社会学 論文

近年の移民研究は、低スキルで不利な移民と特権的移民という二元的な視点から離れつつある。本稿は、日本における若年西洋人「ミドリング・マイグラント」の事例を検討し、中間的な立場にある彼らに焦点を当てる。西洋人はしばしばハイスキルとみなされるものの、実際に彼らは外国語能力と文化知識に頼っていることが多い。職場では、彼らは他者性を活かして不快な状況を避けることができる一方で、部外者扱いされ排除される懸念もある。筆者は、若年西洋人ミドリング・マイグラントとの日本企業での職場経験についての質的インタビューに基づいて、彼らのヒエラルキーへの適応とグループメンバーとして認識される過程における葛藤を概説する。部外者扱いは仕事の満足度の低下、フラストレーション、そして精神的問題をもたらす。これが彼らの離職と再度の国際移住を決定する要因になる。今後の政策として、外国人従業員の職場統合とスキル開発の機会を提供する必要があると考えられる。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 45 65-80, 2024-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

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