遅発性てんかん発作を呈した非定型Rasmussen脳炎に対して外科的介入を行った1例

DOI
  • 田浦 喜裕
    京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
  • 吉田 健司
    京都大学大学院医学研究科発達小児科学
  • 甲良 謙伍
    京都大学大学院医学研究科発達小児科学
  • 菊池 隆幸
    京都大学大学院医学研究科脳神経外科学
  • 高橋 幸利
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター小児科
  • 長谷川 龍志
    京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
  • 戸澤 雄紀
    京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
  • 家原 知子
    京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
  • 千代延 友裕
    京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学 京都府立医科大学大学院医学研究科分子診断・治療医学

書誌事項

タイトル別名
  • Successful surgical intervention for atypical Rasmussen encephalitis with delayed-onset seizures : a case report

抄録

<p> Rasmussen脳炎(Rasmussen encephalitis;RE)は,まれな免疫介在性疾患であり,典型的には,焦点性てんかん発作で発症し,その後進行性の片側脳萎縮と機能障害を呈する.非典型例として,てんかん発作を伴わないまたは,後にてんかん発作を伴う例も報告されているが,これらは極めて稀で治療方針についてはほとんど知られていない.症例は3歳の女児で,1か月前から進行性する右上下肢の麻痺とジストニアを主訴に来院した.頭部MRI検査で左大脳半球の萎縮と左被殻,淡蒼球,尾状核に片側性病変を認め,数日後に右片側の間代発作を認めた.初診から20日後に尾状核生検が行われ,REと診断された.免疫グロブリン療法により片麻痺・ジストニアは改善したが,てんかんは徐々に悪化した.複数の抗てんかん薬による治療に抵抗性で,週に数回の発作を認めていた.長時間ビデオ脳波(long-term video electroencephalography;LT-VEEG)により,家族が気づかなかった様々なタイプの焦点性発作が頻回に確認された.てんかん発症から13か月後に大脳半球離断術が行われ,術後18か月間に渡り発作は消失したままである.LT-VEEGは,たとえ家族が頻繁な発作に気付いていなくても,REの状態を評価するために不可欠な検査と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 56 (2), 125-129, 2024

    一般社団法人 日本小児神経学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017965055096448
  • DOI
    10.11251/ojjscn.56.125
  • ISSN
    18847668
    00290831
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ