Paroxysmal sympathetic hyperactivityを認めた<i>TUBA1A</i>遺伝子異常による滑脳症の1例

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タイトル別名
  • A case of paroxysmal sympathetic hyperactivity in lissencephaly caused by <i>TUBA1A</i> variant

抄録

<p> 発作的な筋緊張亢進,頻脈,多呼吸,高体温を反復しparoxysmal sympathetic hyperactivity(PSH)と診断した滑脳症の1例を報告する.本例ではTUBA1Aに新規のバリアント(p.(Ala281Val))を有していた.PSHは頭部外傷後や低酸素性脳症など広範囲な脳損傷後に合併する病態として有名だが,脳形成異常を有する小児でも認識されるべき病態である.病態はBaguleyらのexcitatory:inhibitory ratio(EIR)モデルに基づいて考察した.本症例では大脳皮質が菲薄で深部白質はほぼ存在しないために中枢自律神経線維網の障害を生じPSHを発症したと考えた.治療にはgabapentin(GBP)が有効であった.GBPが脊髄への非侵襲的な刺激の流入を減らし脳および脊髄内でGABA agonistとして作用し抑制性入力が増強され,交感神経および運動神経への遠心入力が弱まった結果PSHが抑制されたと考察した.脳形成異常症に合併するPSHの病態解明や治療戦略を確立するためには症例の蓄積が必要である.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 56 (2), 130-133, 2024

    一般社団法人 日本小児神経学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017965055108736
  • DOI
    10.11251/ojjscn.56.130
  • ISSN
    18847668
    00290831
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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