健常成人男性における体幹伸展時の胸腰椎の運動学的解析

  • 山根 裕司
    北海道医療大学リハビリテーション科学部理学療法学科 札幌医科大学大学院保健医療学研究科
  • 青木 信裕
    札幌医科大学保健医療学部理学療法学第二講座
  • 片寄 正樹
    札幌医科大学保健医療学部理学療法学第二講座

書誌事項

タイトル別名
  • Kinematic analysis of thoracolumbar movement during trunk extension in healthy males
  • ケンジョウ セイジン ダンセイ ニ オケル タイカン シンテンジ ノ キョウ ヨウツイ ノ ウンドウガクテキ カイセキ

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抄録

<p>立位での体幹伸展動作時における胸腰椎各部位の運動特性を明らかにすることを研究目的とした. 対象は健常成人男性18 名.2 つの条件での立位体幹伸展動作を課題動作とした.1 つ目の条件は立位姿勢からの体幹伸展動作(固定なし条件),2 つ目は最大伸展位での体幹筋活動を可能な限り小さくすることを仮定した条件で,特製の台に下肢を固定し台に寄りかかった状態での体幹伸展動作とした(台固定条件).課題動作時における体幹筋の筋活動と,立位姿勢から最大伸展位までの角度変化量を測定した.角度変化量は三次元動作解析装置を用いて,胸腰椎を6 つのセグメントに分けて測定した. 台固定条件での腹直筋の筋活動は固定なし条件よりも有意に小さく,安静立位時とは差はなかった.このことより,台固定条件は最大伸展位での腹直筋の筋活動を安静立位時と同程度まで小さくすることが可能な条件設定であったと考えられた.この条件では固定なし条件よりも中上位胸椎と上位胸椎を除く全てのセグメントで伸展角度変化量が大きかったことから,立位で体幹伸展する際においては,中下位胸椎・下位胸椎・上位腰椎・下位腰椎では最大域までの伸展運動が起こっていないと考えられた.また,胸腰椎各部位での運動をみると,下位腰椎の角度変化量が最大で,上位腰椎が胸椎各部位よりも運動は大きく,胸椎各部位の運動は小さいという運動特性を有していた. </p>

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