術後出血を契機に先天性血友病Bと診断した縦隔奇形腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of mediastinum teratoma diagnosed as congenital hemophilia B due to postoperative bleeding

抄録

<p>症例は17歳男性.左前縦隔に10 cmの腫瘤性病変を認め画像所見から縦隔奇形腫と考えた.12歳時に扁桃摘出後に術後出血を認めた.術前の血液検査でAPTTが47秒と延長していたが易出血性を疑う症状はなかった.縦隔奇形腫に対してHemi- clamshell開胸で腫瘍切除術を行った.術後2日目にドレーン排液が血性となり,CTで左血性胸水と胸骨裏面に血腫を認めた.術後出血に対し胸腔鏡下血腫除去術を施行し,胸骨裏面の出血点を確認し止血した.再手術後に出血は認めず,その後の経過は良好であった.退院後の精査で第IX因子活性の低下を認め,先天性血友病Bと診断した.先天性血友病は凝固因子活性の低下により出血傾向をきたす疾患で,第VIII因子活性が低下する血友病Aと,第IX因子活性が低下する血友病Bがある.術後出血を契機に先天性血友病Bと診断した症例を経験したので報告する.</p>

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参考文献 (8)*注記

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