血小板輸血6カ月後にHBs抗原およびHBVDNA陽性化を認めた急性骨髄性白血病の1例

  • 川島 雅晴
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 郡司 匡弘
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 大場 理恵
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 勝部 敦史
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 塚本 公瑠美
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 平野 慧
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 塩田 祐子
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 薄井 紀子
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 石井 謙一郎
    東京慈恵会医科大学附属第三病院中央検査部
  • 土橋 史明
    東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
  • 矢野 真吾
    東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • A PATIENT WITH ACUTE MYELOID LEUKEMIA WHO BECAME HB ANTIGEN- AND HBV-POSITIVE SIX MONTHS AFTER PLATELET TRANSFUSION: A CASE REPORT

抄録

<p>患者は65歳男性で,白血球増多・貧血・血小板減少を契機に当院入院,フィラデルフィア染色体陽性急性骨髄性白血病の診断となった.輸血前のHBs抗原・HBs抗体・HBc抗体は陰性だった.入院後第3病日に血小板製剤が輸血された.同製剤は輸血前のスクリーニングの4価核酸増幅検査(NAT)が陰性であったため供給された.当該製剤の献血者が2週後の再献血時にNAT陽性となり追加でB型肝炎ウイルス(HBV)DNAが検査されたが陰性であり,遡及調査に至らなかった.約1カ月後の再献血時に献血者のHBVDNA陽性が判明し,患者への輸血時にはHBVのウインドウ期と考えられた.輸血によるHBV感染の可能性があり患者は遡及調査の対象となり,第44病日以降は3~6週おきにHBs抗原・HBVDNAのフォローアップが行われた.第44病日・第84病日・第129病日のHBVDNAは陰性であったが,輸血6カ月後の第149病日にHBs抗原,HBVDNAが陽性化した.患者と献血者検体HBVのDNA塩基配列が一致し輸血による感染と確定した.先制攻撃的にエンテカビルによる治療を行い,HBVDNAは陰性化し急性肝炎は発症していない.</p>

収録刊行物

参考文献 (5)*注記

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