小児における術後腸内細菌の変化とその対策

抄録

<p> 近年, 腸内細菌叢と全身臓器との密接な関連が報告され, 多くの疾患の発症や病態形成に腸内細菌叢異常が関与しているという認識がされるようになった. これに連動するように小児外科疾患に関しても腸内細菌叢異常が疾患の発症や病態に関連しているのではないかという仮定を基にした研究報告が多くなされるようになった. 生後早期の腸内細菌叢獲得には多くの因子が関与しているが, 小児外科疾患患児では抗生物質の使用, 経口摂取制限, 腸管機能異常など, 多くの正常腸内細菌叢獲得を妨げる因子が存在し, 腸内細菌叢異常をきたしやすいことが想像される. この稿では, 壊死性腸炎, 短腸症候群, Hirschsprung病, 胆道閉鎖症, 固形臓器移植, 心疾患, 急性虫垂炎, 新生児外科疾患などの小児外科疾患における腸内細菌叢異常の報告を概説し, これを是正する治療法の可能性と今後のこの分野における課題について考察する.</p>

収録刊行物

参考文献 (29)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ