日本及びグアムから得られたハナダイ亜科イズハナダイ属の1新種イチモンジハナダイ(新称) <i>Plectranthias clavatus</i> sp. nov.、およびイズハナダイ <i>P. kamii</i> の分布記録の再検討
書誌事項
- タイトル別名
-
- <i>Plectranthias clavatus</i>, a New Perchlet from Japan and Guam, with a Review of the Distributional Records of <i>P. kamii</i> (Perciformes: Serranidae: Anthiadinae)
抄録
ハタ科ハナダイ亜科の1新種イチモンジハナダイPlectranthias clavatusが日本およびグアム産の7標本[標準体長(体長)131.3–199.6 mm]にもとづき記載された。イチモンジハナダイは、背鰭鰭条数がX, 17–18(最頻値17)および胸鰭鰭条数が13–14(13)で、最上軟条を除き先端が分枝する、側線が完全で、側線有孔鱗数は35–36(35)、側線上方横列鱗数が5.5、側線下方横列鱗数が16–17(17)、頬鱗数が6–7(6)、体高が高く、腹鰭起部における体高(BDP)が体長の37.8–40.7 %(平均39.1 %)、最大体高が体長の39.6–42.2 %(41.2 %)、背鰭第3棘が最長であり、BDPの36.5–45.9 %(41.9 %)、臀鰭軟条が短く、最長軟条はBDPの47.9–59.1 %(53.5 %)、吻および涙骨側面、主上顎骨、下顎に鱗をもたない、背鰭前方鱗が両眼間隔域の後方3分の2まで達するが、後鼻孔までは達さない、前鰓蓋骨後縁に鋸歯をもち、腹縁に2本の前向棘をもつ、背鰭第2–3棘先端に短い皮弁をもつ、生鮮時に体側面の背縁に3個の赤みのオレンジの鞍状斑をもつ、体側面の後方4分の3に1本の赤みのオレンジの棒状斑をもつ、鞍状斑と棒状斑は互いに接続しないなどの形態的特徴の組み合わせにより同属他種から識別される。本研究ではイチモンジハナダイに形態的によく似る同属他種であり、東インド-中央太平洋に広く分布するイズハナダイPlectranthias kamii Randall, 1980のこれまでの分布記録を、文献中に示された個体の情報から整理した。その結果、本種は改めて東インド-中央太平洋に広く分布することが確かめられた。また調査標本に基づき本州太平洋岸中央部にあたる御前崎と、東シナ海北東部にあたる五島列島および天草灘、鷹島におけるイズハナダイの新たな分布も明らかとなった。
収録刊行物
-
- 神奈川県立博物館研究報告(自然科学)
-
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) 2024 (53), 113-126, 2024-03-22
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390018075698318464
-
- ISSN
- 21896720
- 04531906
-
- 本文言語コード
- en
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可