アントロポゾフィー音楽療法における聴取者の皮膚温測定

書誌事項

タイトル別名
  • Skin Temperature Measurements of Listeners in Anthroposophical Music Therapy

抄録

本研究ではシュタイナー思想に基づくアントロポゾフィー音楽療法(Anthroposophical Music Therapy:以下 AMT と略記)に注目し、聴取者の皮膚温測定を行った。本研究では、8 点の皮膚温の変化 を指標として、瞑想時、3 種類の AMT 楽器(ライアー、クロッタ、タムタム)演奏と、スピーカー再生 による一般的なヒーリングミュージック聴取時における、健常な聴取者一名の状態を考察したものであ る。測定結果より、顕著な変化を示したのは、末梢のうち左右の手中指だけであった。また、全ての実践 で開始と同時に一時的な皮膚温の低下が見られた。これは、対象に集中することが一時的な交感神経活動 を亢進させたためと推察された。皮膚温が開始時よりも上昇した療法楽器はタムタムのみで、5 min 経過 後の共鳴音が減衰するタイミングで顕著であった。ヒーリングミュージックでは AMT 楽器演奏聴取時と 同様に、聴取開始と同時に皮膚温が一時的に低下した。また、4 min 以降から緩やかな上昇が続き、開始 時以上に上昇した。これより、ある期間の連続した聴取(4 ~ 5 min 以上)が、皮膚温上昇には必要であ ることが示唆された。また、楽器に直接足を乗せて演奏を行うことで、振動を受けた部位の皮膚温が上昇 することを初めて確認した

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