「意味のある作業」に着眼した新型コロナウイルス感染症流行下での精神科作業療法の役割

抄録

新型コロナウイルス感染症の為に精神科病棟での活動が制限されている中,患者自身が考える「意味のある作業」とは何かを明らかにすることを目的に,福井病院入院中の対象者にアンケート調査を行った.対象者が考える「やりたい,したいと思っている作業」を挙げてもらい,それぞれの主観的な遂行度と満足度を定量化した.また,挙げられた作業を手工芸的技術的活動,身体的スポーツ的活動,社会的レクリエーション活動,日常生活活動的活動,教育的文化的活動の5つに分類した.各分類における遂行度と満足度を比較し,さらに5分類間の遂行度と満足度を比較した.対象者が挙げたやりたい作業の中で,最も多かったのは社会的レクリエーション活動であった.各分類における遂行度と満足度に有意差はなかった.一方,5分類間の比較では社会的レクリエーションの遂行度や満足度は他の活動と比べて高くはなった.「意味のある作業」に向けて,今後はまずは院内での社会的レクリエーション活動を増やしていく必要があると考えられる.

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