『アイヌ神謡集』を中国語に翻訳する際の諸問題および対応方法 : 日本語訳との対照 その1

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書誌事項

タイトル別名
  • Challenges and Approaches in Translating 'Ainu Kamuy Yukar' into Chinese : A Comparison with Japanese Translation - Part 1
  • 『 アイヌシン ヨウシュウ 』 オ チュウゴクゴ ニ ホンヤク スル サイ ノ ショ モンダイ オヨビ タイオウ ホウホウ : ニホンゴ ヤク ト ノ タイショウ(ソノ 1)

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説明

本稿では、『アイヌ神謡集』を事例に取り上げ、日本語訳と対照しつつ、アイヌの韻文を中国語に翻訳する際の文体、サケへ、格律、アクセント、押韻、対句と繰り返しの対応方法を提案した。文体に関しては、日常語を使う場合、神謡の特徴をできる限り保持して翻訳するのがよい。サケへについては、意味が理解できるサケへはその意味通りに翻訳し、意味が不明なサケへについては、「アイヌ語―中国語音節対応表」および『世界人名翻译大辞典』に掲載されている「音節-漢字対応表」に従って対訳する。音節数に関しては、アイヌの韻文が主に「5音節」と「4音節」を中心としていることから、中国語訳文では伝統的な韻律の「5文字」と「7文字」を中心とした句で対応させる。アクセントについては、『アイヌ神謡集』における神謡の朗読において、アクセントがどのように整えられていたかは不明であるため、現時点では中国語の韻律の「平仄」で対応することができない。押韻に関しては、アイヌの韻文における押韻方法を一つずつ対応させることはできないが、中国語の「脚韻」を踏みながら翻訳することは可能である。アイヌ語の「対句」と「繰り返し」については、基本的にそれぞれ中国語の「对偶」と「顶真」で対応すればよい。

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