カンフー映画とその歴史にたいする二つの解釈――『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』と『カンフー・ジャングル』における香港の刻印
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- 雑賀 広海
- 日本学術振興会特別研究員PD
書誌事項
- タイトル別名
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- Two Interpretations of Kung Fu Cinema and Its History: Hong Kong Flavor in <i>Gallants</i> and <i>Kung Fu Jungle</i>
抄録
<p>『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』はカンフー映画史に言及する映画である。というのも、1970年代のカンフー映画に出演していた俳優たちが主要な役柄で出演しているからだ。さらに、オープニングクレジットは映像と音楽がともに『ドラゴン怒りの鉄拳』を想起させる。1970年代へのノスタルジーに満ちた本作だが、この映画以外にも同様のノスタルジー映画が同時期に香港で製作されている。本稿ではそうした文脈に目を配りつつ、カンフー映画によるカンフー映画史への言及という点に注目する。興味深いことに、同様の試みをおこなう映画が『じじぃドラゴン』公開からわずか4年後に製作されている。それがドニー・イェン主演の『カンフー・ジャングル』である。『カンフー・ジャングル』は『じじぃドラゴン』よりも広範囲な映画史を描きだす。それでは『カンフー・ジャングル』は『じじぃドラゴン』と同様の試みとしてその延長上に位置づけられるのだろうか。本論文は、カンフー映画史をめぐるこれまでの言説を整理したうえで、この2作品が異なるカンフー映画史の解釈を持つことを主張する。そして、それぞれの映画が描くカンフーマスターの身体に現れる政治性を明らかにする。カンフーに着目すると、『じじぃドラゴン』は悲観的な感傷を誘い、『カンフー・ジャングル』は能動的な読解を要求する映画であることがわかる。</p>
収録刊行物
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- 映像学
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映像学 111 (0), 177-197, 2024-02-25
日本映像学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390018120873619712
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- ISSN
- 21896542
- 02860279
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可